ささき動物病院

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イヌとネコの咳について咳・けいれん・ひきつけ

咳の定義として、肺から、異常音を伴う空気の吹き出しといえます。原理として咳の機能は好ましくない物質を気道から排除する生理機能ともいえます。しかし、場合により持続性で、衰弱や消耗を伴うとき、病気としての兆候と獣医師は診断します。

原因となる部位については、大きく分けて上部気道、下部気道、心血管と分類します。また、感染性か、非感染性であるかも重要です。なぜなら治療方針も違うからです。
診断の手段は、気管の触診や、胸部を聴診します。気管の触診により咳を誘発し、再度心臓や、肺の異常音を確認し正確に鑑別します。また飼育環境にも獣医師は耳を傾けます。

咳の特徴は診断の評価になります。音が大きく、粗く、乾いた咳は喉や気管、肺などの炎症の特徴であり、イヌやネコのウイルス性伝染性疾患に多く診られます。
ガチョウの鳴き声のような咳は、気管が偏平しているトイ犬種や短頭種で聴取されます。
心不全では、心臓と肺音に異常音が認められ、慢性の咳を伴います。特に心雑音と異常な脈拍は心臓が原因で咳をしているイヌやネコで聴取されます。

咳は重大な病気の兆候といえます。持続して頻発し、元気がなくなっていくようであれば動物病院で診断するようにしましょう。案ずるより生むが易しなのです。

イヌの外耳炎について耳・歯

外耳炎は、外耳道に炎症が発生すること。
外耳炎の原因としては、細菌、真菌(カビの一種)、酵母様菌(マラセチア)、耳ダニ、耳垢(みみあか)。何かの破片、種子、小さな虫。発症する過程として耳の中の絡んだ毛により、耳垢が溜まり、細菌、真菌、酵母様菌の温床になり、炎症が発生する。耳道内の分泌(耳垢腺から出る粘液。外耳道の乾燥防止、潤滑作用、感染防御作用がある)がうまく行えない為に、他の体の感染(細菌、真菌、酵母様菌)が波及したことで炎症が起きる。耳ダニの潜伏により炎症が起きる。(皮膚垢を栄養源として耳の中に潜伏する)また、細菌や、真菌、酵母様菌の二次感染も発生する。異物は免疫反応により、炎症が起きる。

以上、原因と発症する過程ですが、基本原因をハッキリさせた上で治療します。

  1. 細菌、真菌、酵母様菌は、耳洗浄をして点耳薬(抗菌剤等)で治療。内服(抗菌、抗真菌剤)なども症状に応じて行います。
  2. 耳ダニも、耳洗浄と点耳薬を行いますが、体表に卵や、耳ダニ自体が散乱することがあり注意が必要です。再び耳道に再潜伏することがありますので、ダニ駆除剤の注射や内服、レボリューションの滴下(ダニ、ノミ駆除剤)も併用します。
    なぜなら、ダニ卵が2週間ぐらいで発育しダニとなるので、時間差が生じて再感染するからです。
  3. 異物は耳鏡(耳の中を見る道具)にて確認。洗浄で取れるようであればよいが、取れないものは、麻酔、もしくは鎮静剤にて摘出する。

いずれにせよ、獣医師による確実な診断が必要です。症状は似ていますので、安易な判断
は症状を悪化させます。かかりつけの動物病院で相談、そして診断。治療しましょう。

イヌの歯の衛生について耳・歯

犬の歯の衛生は歯石を取り除くことだけではなく、予防が重要だといえます。歯と歯周囲組織の病気が、口の中に留まらず、全身に重篤な病気を起こす原因となるからです。心臓病、腎不全、肝炎、中枢神経障害、リュウマチ性疾患などが挙げられます。沈着した歯石が病原巣となり、細菌が増殖し血行、リンパを介して全身に移行していき、各臓器、器官に悪い影響を与えるからと想定されます。

このような状態を防ぐ為に、仔犬の頃から、適切な歯の衛生管理を行うことが望まれます。

  1. 歯のブラッシング。犬専用歯ブラシか、水に濡らしたガーゼで歯と歯肉の間の外側を
    丁寧にこすります。週に2回ぐらいとします。
  2. 乳歯による、二重歯の早期抜歯。永久歯の萌出と、乳歯の脱落がうまくなされてない場合、二重歯になりますが、放置してますと、歯垢が沈着し、歯石を形成します。
    また、歯並びも悪くなります。ですから、二重歯であれば、早期に乳歯抜歯をします。
  3. 歯石の除去は、できるだけ、早期におこないます。過度な歯石の沈着は歯周ポケットを拡大させ、歯槽、歯根の動揺と、歯肉炎を招きます。
    治療は、超音波をかけ、水流により除去します。そののち、歯のポリッシングをします。
    歯周ポケットには、特殊な薬剤を注入し、歯肉炎や歯周ポケットの拡大を防ぎます。


歯の衛生には、かかりつけの動物病院とよく相談しましょう。

イヌとネコの咳について咳・けいれん・ひきつけ

咳の定義として、肺から、異常音を伴う空気の吹き出しといえます。原理として咳の機能は好ましくない物質を気道から排除する生理機能ともいえます。しかし、場合により持続性で、衰弱や消耗を伴うとき、病気としての兆候と獣医師は診断します。

原因となる部位については、大きく分けて上部気道、下部気道、心血管と分類します。また、感染性か、非感染性であるかも重要です。なぜなら治療方針も違うからです。
診断の手段は、気管の触診や、胸部を聴診します。気管の触診により咳を誘発し、再度心臓や、肺の異常音を確認し正確に鑑別します。また飼育環境にも獣医師は耳を傾けます。

咳の特徴は診断の評価になります。音が大きく、粗く、乾いた咳は喉や気管、肺などの炎症の特徴であり、イヌやネコのウイルス性伝染性疾患に多く診られます。
ガチョウの鳴き声のような咳は、気管が偏平しているトイ犬種や短頭種で聴取されます。
心不全では、心臓と肺音に異常音が認められ、慢性の咳を伴います。特に心雑音と異常な脈拍は心臓が原因で咳をしているイヌやネコで聴取されます。

咳は重大な病気の兆候といえます。持続して頻発し、元気がなくなっていくようであれば動物病院で診断するようにしましょう。案ずるより生むが易しなのです。

イヌの痴呆について痴呆

イヌの痴呆とは、高齢化に伴いいったん獲得した学習および運動機能の著しい低下が始まり、飼育困難になった状態と定義されます。
犬種別では、統計上、痴呆犬の7割以上が柴犬、日本犬系雑種が占められています。症状は、意味もなく夜鳴きをする。とぼとぼ歩き円を描くように旋回運動をする。狭いところに入り込み自分で後退できずに鳴く。飼い主の呼びかけに無反応。よく寝て、無制限に食事をとり、下痢もせず、痩せてくる。このうち、13歳以上で、これらの症状がひとつでも当てはまれば痴呆が疑われます。

愛犬も高齢化が進み、10歳以上の愛犬が多くなってきています。それゆえに、高齢化に伴う弊害も比例して多くなります。そのひとつが痴呆です。
予防としては、偏食を避ける事と、シニア用の食事に切り替えていくことです。偏食は、栄養の偏りにより、痴呆を進行させます。できれば、不飽和脂肪酸を多く含むシニア用の食事を与えると良いでしょう。

不飽和脂肪酸(DHA、EPA)は、作用として、動脈の弾力性保持作用、網膜、神経線維組織の発達、抗炎症作用、血圧低下作用などが挙げられます。少なくとも、6歳以降をシニアと認識して、食事をシニア用に替えていきましょう。また、不飽和脂肪酸のサプリメントもありますので獣医師の処方により活用します。また、痴呆と疑われたときは、かかりつけの獣医師とよく相談しましょう。

イヌの出産後について発情・繁殖・出産

愛犬の出産後の管理は、母犬に対して静かで清潔な環境を心掛けます。また保温もかかせません。

母犬の要求カロリーは非妊娠と比較して高くなります。1.5倍ほどのカロリー要求になります。授乳中に乳熱(体液中のカルシウムイオンが極端に減少し神経症状が発現すること)や、免疫不全、低血糖をおこすことがあり授乳中は、高カロリー食を与えるべきです。

母乳における初乳は、病気に対する抗体(受動免疫)を多く含み、仔犬はこれを、2〜3ヶ月引き継ぎます。新生児は体温保持を自らすることが難しく、母犬から60分くらい離れただけで、体温低下を促します。38度から2〜3度低下します。母犬との充分な接触が必要です。育児放棄の母犬の対応は、飼主が補助し新生児に、人口乳(免疫サポート等、病院専用の補助乳)を与えます。場合によっては動物病院にて保育器にて離乳まで看護します。

母犬は、新生児を良く舐め清潔にします。これは成犬になったとき、良くブラッシングしたり、なでたりすることにより、愛犬が喜ぶことの要因でもあります。

イヌの出産について発情・繁殖・出産

愛犬の出産について特徴的なことは、分娩直前に体温が下降することです。
妊娠末期における分娩2日前には平均38.0度。分娩1日前では平均37.8度。
一日を過ぎると平均37.4度と下降します。よって、妊娠末期54日以降、朝、昼、晩と平均体温を測定し、37.5度を下回るようであれば翌日分娩と予測します。

出産に関しては営巣行動(出産をする場所を探す)をおこない、陣痛、陰門の胎胞出現の過程があります。営巣行動も一種の陣痛徴候と考えて良いでしょう。

重要なのは、これらの分娩徴候から第一子が出てくるまでの所要時間であり、個体差があることです。平均は1時間未満です。分娩所要時間は胎児の頭数、胎児の体位、経産犬、未経産犬など、条件により変化します。短いもので30分以内。長いもので2時間以上も要します。ゆえに、超音波やレントゲンにより、頭数や胎児の状況や、妊娠犬の骨盤腔の大きさを確認することは、分娩状況、胎児の健康を予測するうえで重要です。妊娠末期は妊娠診断が必要と思われます。かかりつけの動物病院にて相談しましょう。

イヌの難産について発情・繁殖・出産

愛犬の難産で多く見かける例は、陣痛微弱です。陣痛を誘発させる薬剤として、オキシトシンがあります。あるいは膣を刺激するフェザーリングも有効ですが、動物病院にて対応します。また、胎児の失位(逆子)も原因です。獣医学用語では、正常な位置を頭位、尾位、と表現します。失位については前肢後転位、殿位、頭頂位、子頭側転位と表現します。
失位の評価は、膣内に指を挿入して確認することができます。

胎児数が少ない場合、胎児の過大、胎児奇形、子宮無力症も難産の原因となります。
これらの条件により、難産で産道から胎児を取り出すことが出来ない場合、帝王切開が適用されます。また、計画された帝王切開として、難産の発生率の高い犬種や、骨盤骨折などにより、産道の狭窄が事前に把握される場合、分娩予定日に帝王切開を行います。

胎児より先に、深緑色の分泌物(ウテロベルデイン)が確認された場合、胎盤剥離があるが、胎児が出産されない状態です。これは、帝王切開の重要な判断材料となります。

なにより、出産前後は、かかりつけの獣医師との連絡、相談を、緊密におこなうことです。

イヌの妊娠看護について発情・繁殖・出産

愛犬の妊娠看護は、主に栄養価に気をつけるべきです。妊娠初期はあまり食欲は増加しませんが、妊娠5週目から出産するまで10%ずつ摂取カロリーを増やします。

1日の必要要求カロリーは体重に対しての目安として約5kgまで400kcal、約10kgまで600kcal、約20kgまで1000kcal、約30kgまで1500kcal、約40kgまで1800kcal、となります。母犬の栄養状態が良好であれば、出産した仔犬は行動力、学習能力が高く、情緒面でも安定していることが、証明されています。

妊娠犬の看護は、禁忌な事柄を知ることが正しい看護といえます。

  1. 妊娠中はつわりで苦しむことがあり、出産陣痛と誤認することがあります。
  2. 妊娠を知りながらワクチン接種をしない。また、妊娠犬の同居犬もしない。
    交配する前に済ませることが必要です。
  3. 必要ない限り、あらゆる薬を与えない。特に交配した事実は、獣医師に確実に伝えます。
  4. 殺虫剤、ペンキ、不凍液など、化学物質から遠ざける。家の改築など、間接に影響を与えます。静かで、清潔な環境が望まれます。
  5. 長い散歩は控えます。
  6. カルシウムのサプリメントは与えない。過剰なカルシウムは胎児の亜鉛やマンガンの吸収阻害が発生して成長阻害を起こします。逆に妊娠犬の、出産後のカルシウム欠乏症の危険性が高まり、出産された仔犬の胃膨張も招きます。また、難産の原因にもなります。

イヌの繁殖について発情・繁殖・出産

愛犬の繁殖について基本的な繁殖条件を述べます。

雌犬の場合、繁殖適齢期は18ヶ月以上で情緒が安定し健康であること。
雄犬は、潜在睾丸(睾丸が陰嚢に降りていない状態)でないこと。
ワクチン接種済みか。(母体の抗体により仔犬が感染症にたいして防御能力を引き継ぐ。)
寄生虫駆除。(母体が寄生虫に感染していると、胎盤を介して感染することもある。)。

繁殖は、排卵から2日以内におこなうと着床率が向上します。発情開始から10日前後に 膣の細胞診(スメア像というもので、赤血球、有核上皮、無核上皮の比率により、排卵適期を確認する。)にて発情周期のどの期間に該当するか診断できます。発情期は粘液分泌が停止し雌犬は交尾を許します。血液検査では血中プロゲステロンは正確な排卵を確認できますが、検査機関に委託しなければなりません。

妊娠期は58〜63日であり妊娠末期に腹部が膨らみ、乳首が大きくなります。